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2021.03.29

お知らせ

世界中で新型コロナウィルスの感染拡大が続き、まだまだ先の見えない2021年初頭。
DIO成枝代表取締役に、DIOの「現在地」をお聞きしました。そして、DIOのチャレンジ、付加価値について語っていただきました。

まず業界の最新情報と課題についてお聞かせください。

成枝代表取締役(以下成枝):
コロナ禍でお客さまの研究・分析業務量が低下している事実はあります。また、一部の業界では大きく業績低下が予測されるために機器導入検討を大幅縮小されてもいます。ただ、日本は「技術立国」ですので、全業界にわたって研究・分析を滞らせることがないために、ある程度の影響で推移しています。
分析機器の商材に関しては、相当長い期間にわたり革新的技術の登場がありません。しかしながら既存技術を用いた装置の改良に改良が加えられ、より選択的・特異的・高感度化とともに短時間化が進んでおり、科学技術の進歩の速度を担う研究スピードの礎を成し得ていると感じます。斬新で画期的な技術の登場はありませんが、このような新しい分析装置・分析手法が次々と生まれてくる刺激的な業界であると思います。

貴社商圏内での情勢はどうでしょう?

成枝:当社の活動拠点としている東京都・埼玉県は日本国内でも有数の民間・公官庁の研究機関が設けられている地域です。よって、国内平均的な影響よりは小さな影響で推移しているのではないかと感じています。また、当社において大学は得意なお客さまではないので、一層影響を知らないだけだと思います。
科学分野で申し上げると、当社は生物学や生化学の分野よりは「化学」の分野を得意としております。化学分野で用いられる機器分析装置は成熟度が増しており、これまで以上に「一般的な装置」となることが進み、広い層のお客さまで使用されており、分析装置の使用される業務の裾野が広がり続けています。一方で、既存技術の改良やそれらの組み合わせによってでき上がった高機能・高価格帯装置を、研究ステージが初期ではないお客さまも多く希望される傾向にあり販売のチャンスが広がりつつあると感じています。

そうした情勢の中でのDIOの立ち位置は?

成枝:絶対額での規模間では、東京都の科学器機市場は約1,100億円強を推移しています。当社の先期売上が約11億円。そしてコロナ禍下で過去最高売上の結果を得ることができました。会社の設立に大きく関与しているイオンクロマトグラフは現在も当社の主力商材でありますが、主力商材だけではこの売上額に到達することは到底できず、この数字は当社が現在の業界、現在の市場のニーズを的確につかみ、それにピタリと合致した商材をご提案できているからこそ達成できていると自負しております。当社の社員のイオンクロマトグラフに対する思い入れだけではなく、活躍する分野・業界にある程度、適合できているのではないかと思います。ただ、あくまでも現在の社員数で挑戦できる能力に限ったことです。

DIOとは、お客さまにとって、
社会にとってどんな価値を持った会社でしょう?

成枝:まず、イオンクロマトグラフに関して申し上げますと、当社の活動地域内に限れば、市場の75%以上は適切に販売できていると思います。多くのイオンクロマトグラフは上水の水質管理・下水の管理に必須としており、私たちの生活レベルの維持・向上に貢献しています。そのイオンクロマトグラフをただ販売するのではなく、業務ごとに必要とされる価値に合った適切システムの仕様を営業・技術が一緒になり考え、ご提案しています。何もかもすべてを一新して買い替えていただくというご提案をするのではなく、使用できる部分は残す、増設できることは増設させる、アップグレードで対応できればアップグレードで・・・このようにしてお客さまの貴重な予算を大切に運用できるよう努めています。
また、販売だけではなく、販売後の装置の維持管理のご提案から始まり、実際の保守作業を行うことにより分析業務の停止時間がないよう努力しています。少々言いすぎかも知れませんが、皆さまの健康・安全の維持管理の礎のごく一部を担当できている存在だと思います。
イオンクロマトグラフ以外では、首都圏の中心地域ですので、民間企業の研究機関は世界最先端の技術を追い求められています。ご検討される分析装置・手法も多岐にわたり、最新で特異的な装置をご提案させていただく機会が他の地域より多いのではないでしょうか。このようなご提案の初期段階を、メーカーに頼らずに当社の社員自身で行うことにより多くの研究員さまに一目置いていただけるよう努力しています。

これからのチャレンジとそれを実現するための
アクションをお聞かせください。

成枝:数値目標など、何かを達成するためには、“源泉”が必要です。さまざまな考え方がありますが、私は究極、『源泉は社員』と考えています。私どものお客さまに「DIOの営業は役に立つ」と言っていただけるような人材教育をすることが最も大切なチャレンジだと思います。
優良な質の高い社員へと引き上げること、その質の高い社員がさらに後輩を育て人数を増やすこと、この二つに重点をおいています。

オンリーワンの付加価値を提供するため、
どのような姿勢で臨まれていますか。

成枝:すべての研究員さまに言えることですが、お客さまの研究内容をお話しいただける存在になるためには、人材教育だけでなく、地道な努力と認めていただけるだけのご提案をし続けることが大事です。このためには現在より知識の面では商材範囲を広げることも大事になります。同時にお客さまの研究内容を理解できる科学知識も深めなければなりません。さらにこれらを身につけた上で、ご提案する最適な商材を扱われている既存・新規のメーカーさまに認めていただく必要があります。道のりは険しく容易ではありませんが、人生一度きりですし、日々繰り返し同じ生活よりは、お客さまの笑顔のために新しいことを身につけていくことの方が楽しいのではないかと、社員全員に理解してもらうことが私の仕事であり、一緒に進めていくことによりこれまでにないお客さまとの関係づくりにつながると思います。

最後にダイオテック東京にとって最高の仕事とは?

成枝:「○○さん、この装置良かったよ」「○○さん、ありがとう」。とても簡単で短い言葉ですが、「お客様の満足の追求の証」最高の仕事は、このいただいた言葉の中にあるのではないでしょうか。

 

ダイオテック東京株式会社
代表取締役  成枝秀憲